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レヴュー
10.01.齋藤順
南青山MANDALA

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10月1日(水)齋藤順 Mr.Bassman“JUN SAITOH”【BLACK BASS】CD発売記念ライヴ 南青山マンダラ
Mr.Bassman 齋藤順氏のブログ『ベースが目立ってどこが悪い』
ソロライブ第二弾!のお知らせがありまして、第一弾ライブレポを書き留めたくなりました。
サイトのリニューアル作業に没頭中、PCの画面を見続け、目を休めて聴くCDが【BlackBass】でした。CDの最初の曲、ブラックバス♪は、ライブではラストで演奏され、ラストのブラックバスリプライズ♪が始まりのあたりで演奏されたので回想がぐるぐる回ってはいても、ライブ後の違い。CDでは見えないアルコ弾きとピチカート(つま弾き)の視覚的な魅力。手が、動きも含めて軽やかに舞うように綺麗で目を奪われ、伴う高品質音楽には、 音楽界の政権を奪ってしまったコントラバス。正にやりたいことが存分に発揮できたMr.Bassmanのライブを想います。
Mr.Bassman JUN SAITOH CD「ブラックバス」発売記念ライブ 南青山MANDALA
齋藤順(Bass)塩入俊哉(pf syn vo pianica)東佳樹(perc…種々)
第一部
ロンドンデリーの歌/アイルランド民謡
ブラックバスリプライズ/齋藤 順
小さなワルツ/S.クーセヴィッキー
遥かなる夜明け〜バッハに捧ぐプレリュード/齋藤 順
プレリュード/J.S.バッハ
ブラッセンフィールドの四季/H.エックレス
KO-TE-SA-KI/齋藤 順&塩入俊哉
水のない河〜越えられぬ時間/塩入俊
第二部
パガニーニーの主題による14のラプソディ/N.パガニーニ 塩入俊哉
G線上でサンバ/齋藤 順
伝えたい気持ち/齋藤 順
夢のあとに/G.U.フォーレ
。。。ラストナイト/齋藤 順&塩入俊哉
リベルタンゴ/A.ピアソラ
ブラックバス/齋藤 順
encore
アメイジング・グレイス
ロンドンデリーの歌

満員のライブハウスはあま〜いマスク目的?お客さまの8割は女性です(年齢不問)
熱い視線を集めて齋藤順氏ご登場。バーバリーのホワイトシャツにホワイトパンツ…ウットリ。コントラバスの堂々とした渋い茶色に弓のグリーン!が鮮やか。素敵なコーディネートとみていましたら、弓のグリーンはご本人曰く「木には緑かな」(大爆笑1)ということで。
本編。
ロンドンデリーの歌♪からブラックバスリプライズ♪
懐の奥ふかーいゆったりとした旋律にじわぁあああんが止まらない。この温かな手触り感覚のじわぁああんはなんでしょ。コントラバスが主役の存在感が『主役で何が悪い』を少しも感じさせない自然なスタイルがすでに備わっていたのね。齋藤さんの温かな気が音色と一緒に会場いっぱいに広がります。
ブラックバスリプライズ♪ではCDでのオカリナのソロを塩入さんが鍵盤ハーモニカ(ピアニカ)を吹かれました。(齋藤さんが塩入さんに敬意を表されまして)湖でちっちゃなお魚(ピアニカ)=細やかなメロディがブラックバスと戯れている微笑ましい情景が浮かび、共存を想いとシンプルなアレンジが優しい調べで、この先曲もどのように表現されていくのか楽しみになります。
そして多種のパーカッションに埋もれた東佳樹さんが加わり(寡黙な方。でもこのお二人の演奏に初めてですのにすっと融け込むテクニック感性が凄いと思います)、ヴィヴラフォンの音色もベースも円やかに弾んだ、クーセヴィッキーの小さなワルツ♪この作曲家は齋藤さん、5月のコンサートで語ってくださった。クラシック好きですので、こんなに楽しいサラッと(難しいでしょうが)軽快なベースのワルツ、広めてほしいわ。
バッハ、遥かなる夜明け〜はすべてピチカート奏法。ピチカートの残す無音の振動が直に空気で伝わってぞくぞくしました。笛(小鳥)にパーカッションが微妙な金属音、シンバルを擦るのかな?定かではありませんが、ピアノも少しずつ加わることでコントラバスがバッハに捧ぐ深い敬意の音色を際立たせ、響かせていたと思う。
そしてバッハの無伴奏。チェロでは数えきれないくらい聴いていますが、Bassで!びっくりしました。その上おっと無伴奏じゃなくて、より神聖な音色で飾られていく、壮大に広がるバックの透明な音色は天井が高い教会で奏でる荘厳な雰囲気を持たせ、ふっくらとした重みのBassならではの音色に旋律のアクセントを明確に表し立体的な空間が生まれていました。感激。
エックレス・ソナタ=ブラッセンフィールドの四季♪命名!?しました塩入さんへタイトルの意味を齋藤さんが聴かれましたら塩入さん「意味…ありません…」(大爆笑2)MC楽しいです。時々先生になっていましたよ!?笑いが止まらなくて困るtakako.です。でも演奏は真剣で、切り替えが大変なのです!あはっ
このブラッセンフィールドの四季♪を聴いていて、ラルゴ、アレグロ、アダージョ、ヴィバーチェの展開に乗る四季の移ろいが、ライブでBassを弾かれる齋藤さんを見ながら聴いていましたら、ジェントルマンなイギリス風タイトル、齋藤さんの人生の四季を表現していると。勝手な妄想ですが、Bassという楽器を弾かれ始めた頃の大変さと楽しみ、そして手を痛め弾けなくなった絶望感と焦燥(大らかに語っておられましたが)から取り戻した自信と大きな喜び。これからの意欲と期待がずしずし響いてきました。
人生の色々な喜怒哀楽の四季が織り込まれた、私たちへの応援歌ともとれる、新たな意味をも込められた楽曲に聞こえて嬉しいのと感動でほろりと涙がこぼれていた私です。
KO-TE-SA-KI♪タイトルの意味は「ずっと小手先でライブをやっているので」(大爆笑3)塩入さんとリハで録ったのがCDになった珍しい!?曲。難しいそう。CDではラストにお二人の会話が入っています(^ー^* )お聴き逃しなく!
ピチカート奏法満載で、Bassアクロバット小技にシンセ音も絡まりPerも鮮やかに渋い!ジャジーな色合いも楽しめました。セッション感がとっても熱くうずうずきました。
第一部のラストを飾るのは水のない河〜超えられぬ時♪
前の曲とシーンが一変してシリアス。Bowingの歌心調べが美しくて泣けます。立体的に入るPer,そしてドラマティックな展開に激流を起こす強靭なピアノ。エンディングではライブハウスがどよめくような余韻に心が離れられません。
第二部は大曲、パガニーニの主題による14のラプソディ。ブラッセンフィールドの四季も同様ですが、長い曲での集中力と音楽への没頭、完成度も技術力も維持できる凄さ、Bassの深い響きから早弾き、甘さを排した骨太な逞しい響き。皆様のアンサンブル構築に圧倒されます。いいんだなこの曲!Bassの緩やかなソロでも音が痩せない。同時に指の動きも目に入り、齋藤さんのソリストとしての確固たる存在感を示していました。
そうそう第二部ではご衣装もレッドのシャツにブラックのパンツへチェンジ。お似合いです(^ー^* )
G線上でサンバ♪バッハじゃないわよねと思う通り、新曲です。エレキベースを聴いているような感覚。カッコイイのよね。粘着性があるのにスタイリッシュな感じでさらりとしている。サクサク聴けます。
伝えたい気持ち♪男性の心情を夢のあとに♪。。。ラストナイト♪…でストーリーを語っていきます。伝えたい気持ち♪(意味深ですな)は歌詞が浮かびそうなメロディアスな曲。男性の繊細な想いがロマンティックに織られていて優しい気持ちになる。夢のあとに♪ストーリーを思うとBassならではの陰翳が感情的にも深くシリアスに語られる。
そして。。。ラストナイト♪ ヴォーカルが塩入さんです!
いっままでコーラスで聴いた歌はあり、今回もコーラスと思っていて、ソロは初めてで。。。シンセとの弾き語りにぶっとびまひた。何気なくハミングなさるようにさらりと歌われ、洒脱な感じ。どこの言葉なのかわかんない(すみません)。東さんのドラムソロが硬質で塩入さんの歌声がよりムーディに語られるから、緊張して聴いて(ってどうして私が。よけいなお世話…あはっ)いましたので、他、覚えてない。…今思いますのは、これはソロライブに向けたステップかもぉ〜〜 うふっ益々楽しみになる。
ライブも佳境にさしかかってきて、リベルタンゴ♪です。ピアソラもBassで演奏しちゃうんですよ。BassManのシャイな魅力が、襲うの。ピアノとPerが熱くなるほどに、冷静を装い「Mr BassManもいいかもな」メッセージを飄々と弾く音色に聴いていました。
第二部のラストはCDの最初の曲、ブラックバス♪
CDと遜色のない綺麗な響き。Blackのイメージを覆す美しいメロディはこれしかありません。またはじめからライブを聴きたくなりました。
幸せな気持ちいっぱいで続くアンコール。アメイジング・グレイス♪ Bass=ノスタルジックの王道まっしぐら。ヴィブラフォンでしたか、鐘の音が遠くから聞こえて、ピアノが旋律を奏でる。Bassが細やかに絡んで、Perが切り込む。するとノスタルジックな情景は遠のき、大都会の片隅で洗練された音楽を愉しむ隠れ家、Barなスポットへご招待してくださった。そして思い出を回想するBassのソロへ戻っていく。このお洒落な曲の展開にうるうるきちゃて。アレンジャーの腕にやられました(*^^*)素敵でした!
どの楽曲も齋藤さん塩入さんという一緒に音楽を究めてこられた信頼感から生まれる強靭な構築性には、野太い響きからどこまでも繊細で密な音の絡まり、ライブならではのアレンジ。正確なテクニックが土台でも機械的な音が微塵もなくお互いの個性を鳴り放てる開放感と演奏なさる愉しさが伝わってきた。愉しいライブに感謝です!ありがとうございましたo(*^▽^*)o~♪
過去にマイナーと思う楽器たちという想いを書きましたが、オーケストラの楽器として欠かすことのできない存在のコントラバスであっても、ソリストとして楽器を鳴らすには相当な個性と伴う表現力を要すると思うのです。齋藤さんのBassは確かです(何も私が申さなくとも…あはっ)これから伴奏楽器の深さを広め、ソロが少ないゆえにたっくさんありそうな未知の世界を開拓して欲しいです。
MCでおっしゃっていました「人間って変われるんです」と。 順さんの温かなお人柄と演奏、Bassの魅力でBlackのイメージも変えてください。Bass革命をおこす時ですね! 10.25.記

10.26.追記 夜9時からN響アワーを聴いていました。バルトーク好きです。管弦楽の為の協奏曲♪クーセヴィッキーも関わっていらしたのですね。ベートーヴェンの田園交響曲のお話。音楽はつながっていて面白い。
…コントラバスたっくさん映りました。グリーン弓の方はおいでにならなかったわん。10色もあるとの事ですから〜〜レインボーコントラバス隊は如何?…不謹慎!?(*^-^)ゞ

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