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レヴュー
08.07.三村奈々恵
軽井沢脇田美術館
08.30.saya
軽井沢脇田美術館

レヴュー2008年8月 Index≫

8月7日(木)三村奈々恵 Nanae Mimura in Karuizawa WAKITA MUSEUM Music in Museum 2008
 
出演/三村奈々恵(mub)/塩入俊哉(pf)/楯直己(per)
開演18:30/終演19:40
白壁に飾られた絵画の前面にワイン色のご衣装にホワイトパンツの三村さんが颯爽とご登場 マリンバ独奏でのオープニング。
♪歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 間奏曲:ピエトロ・マスカーニ
マリンバの美しいトレモロがもの凄く柔らかく綺麗に響き渡る。粒粒が均一で伝導する慎み深い響きの波動が体中を潤し心の開放感へと導く。軽井沢の深い森、木々に囲まれ深呼吸をする安らぎを覚えていた。やがて穏やかに木のぬくもりで温めた音が天上へ昇っていく。
天井の奥に広がる星空、田舎は月遅れの今日8月7日が七夕さまなのです。
最初の音で格調の高い深く美しい響きが物語性を想像するコンサートの序曲とも聴こえて本当に綺麗で優しい音色に感激しました。
お客様の拍手の音も違うわ。はっきりと纏まった音になってる。総ての音がなんて素敵に分散せずに柔らかく響くのでしょう!嬉しくて拍手も楽しくなっていく。
そして楯さん、塩入さんが加わられて
♪グラシアス:三村奈々恵
♪60年70年代メドレー (オー・シャンゼリゼ〜トップ・オブ・ザ・ワールド〜イエスタディワンスモア〜白い恋人たち〜ある愛の詩〜ダイアナ〜などなど11曲)
♪てぃんさぐぬ花:琉球民謡 ♪即興曲(三村さん一枚の絵画からのイメージ曲/ソロ)
♪剣の舞:アラム・ハチャトゥリアン
♪リベルタンゴ:アストル・ピアソラ encore
♪タイプライター:ルロイ・アンダーソン
♪ラ・カリファ:エンリオ・モリコーネ
以上曲目です。
コンサート後、屋外Gardenでいただいた数々のお料理の中におやき(お饅頭です)がありました。
8月7日は立秋ですが、七夕さまの日におやきを作ります。軽井沢もおやきをいただくのね。と嬉しい気分。しかも、茄子、野沢菜、あんことウグイス餡まで多種類。私は珍しいウグイス餡を美味しく頂きました。
星空の彦星と織り姫の幸せを貰った今宵に感謝です(^人^)
閑話休題
マスカーニの間奏曲は大好きな曲。
深い響きの美音は勿論、トレモロでのマレットの動きにも見とれました(見たかったの(^^)v)お席がですね、至近距離。美術館内では目の高さで拝見できまして…私の特等席。
マレットが鍵盤上をさっと触れ均一な高さで回転しているの。叩いている感と違う、動きの美しさに目がはりつきました。
剣の舞、リベルタンゴ等の早弾きも見事で、超早い音の余韻が波動まで綺麗に揃う響きもマリンバの魅力。素敵です。三村さんは表情も明るく軽々と弾かれます。
最強の布陣のお二人がご登場。グラシアス♪三村さんのオリジナル曲。
パーカッションの楯さんとピアノの塩入さん。
このお二人の楽器もどのように響くかとっても楽しみにしていました。
円やかで芳醇な音色が広がり多色な味わいが増します。軽井沢の深ーい森へ誘引、全身森林浴。軽やかで綿密なメロディなのが癒しの音色から、全楽器の鼓動が喜びに溢れていて気を送りこむエネルギーの源へ誘ってくださったの。夏バテ一掃、元気回復。鳴り方の調和が清流に鮮やかな反物を流し織るように広がりました。
メドレーで明るいムードに包まれ和やかな一体感が生まれる。聴き応えあります。
意表を突かれました曲が琉球民謡。てぃんさぐぬ花♪
マリンバをはじめ、皆さんの繊細な音色の推移にリリシズムがずしずしと響き立体的に歌詞の想いが沸いて胸が熱くなり、感動しました!!!
中南米の楽曲はリズム感が根本的に日本人(私の(*^-^)ゞ)の感覚と違うわと三村さんの演奏を聴く度に体で感じることが出来て民族魂に根差した音楽の域を知る。このてぃんさぐぬ花、沖縄民謡も場所もリズムも曲調も違えど、通じる感情が湧く。その土地での伝統的な曲は庶民生活の延長線上にあってリリシズムそのものが表現され心に響く。人間の根底で受け継がれる熱い念いは同じなのと思う。
そして 今日のコンサートで他、クラシックでの宮廷貴族、優雅な楽曲、ポップス等、多彩な音楽を楽しめば、どれが優れた音楽かなんて思う事自体が無意義なことと悟る。ジャンルの芸術性云々より要は心に響くかどうかなのでしょう。もちろん楽曲を内部を掘り下げきめ細やかな描写で明晰に表現出来ているアレンジとテクニックが備わっているからです。
白壁に飾られた絵画は土色をベースに鳥、花、子供がじんわりほわんと描かれている温かなイメージ(すみません、ものすごく大雑把、ど素人な表現ヾ(_ _*))が多く見られました。
でもカンバスには精密に錬られたデッサン、幾重にも塗られた色彩が内在している。三村さんが一枚の絵画からインスパイアを受け即興で演奏なされた曲、宇宙的無限な展開と和を刻む端正なリズムに多国籍な音も組まれて、厳しい道のりを歩まれて生まれゆく芸術作品の同化を聴きました。
全曲聴いていながら温かな演奏がすっと絵の登場人物がお話しているようなんです。ヨーロッパの此処にいるかって?ほら切符を見てごらん…とか。言葉を交わさずとも一緒に鳥、花を見ている安堵感。
タイプライターで楯さんが鳴らすフライパンの音、鍋蓋の音、笛、男の子達(5−6歳?)が声を上げて笑う時、絵画からも「あっ!今日はお友達が来てるよ!」って聴こえてくるようでした。
ラ・カリファ♪モリコーネの美旋律、朗々と響き渡り上がっていく臨場感の広がりにはもう泣けちゃいます。
微細な音をラストの余韻までも奏でる三村さんの集中する表情も美しいと思いました。
また聴きたい。 ありがとうございました。
08.09.記
8月30日(土)saya サマーナイトコンサート 軽井沢脇田美術館
Program
Inst(Piano,Bass,Guiter)
Summer Time
ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」よりMy Favorite Things
ロミオとジュリエット
ウタキの丘で(アコースティックVer.)
木もれ日
ミュージカル「レ・ミゼラブル」よりエポニーヌ
ミュージカル『サウンド・ オブ・ミュージック』よりドレミの歌
Havanera
Amazing Grace
アンコール

ウタキの丘で(CDVer.)
time 18:30-19:40頃

モリコーネ at:KARUIZAWAな感じ(*^-^)ゞのインスト曲。三名の演奏曲が至福の時。嬉しくて嬉しくて。
塩入さんのピアノソロは美術館に飾られている絵画が風になびき、走馬灯にように流れてゆく音彩豊かなイメージに遠山さんのギターが久しぶり振りでさっそくの細やかで煌めくソロに痺れておりました。ラストには齋藤さんのベースが重厚で温かい音を奏でて心地よいのに泣けるわ。
オープニング。過ぎ行く夏を惜しむSummer time♪
sayaさんの柔らかくまろやか〜な声が美術館いっぱいに広がりエレガント。一転してジャジーな趣が夏の暑さを回想、演奏も熱く舌を巻くほどにテクニックも激しい。歌も演奏も最初から聴かせますね!
My Favorite Things♪でもジャジーっぽい熱さが継続。でもsayaさんの美声は落ち着いていて動じません。余裕が感じられます。
ロミオ&ジュリエット♪一番高い音がさらに伸びやかに響き渡り、sayaさんの歌唱力が益々大きくなったわぁと感動しました。
そして本日発売(8月30日)おめでとうございます!
デビューCDからウタキの丘で♪と木もれ日♪ ウタキの丘で♪はアコースティックVer.。ピアノとベース、アコギにライブでのsayaさんの語る歌声が沁みます。重厚な演奏総てで切なる想いが胸に込み上げてくる。声の優しさが効きますね。
木もれ日♪アルバムのジャケットphotoが自然に浮かび、館内に響く特有の残音効果で幽玄な世界に居る感に誘われました。
レ・ミゼラブルからの曲はひたむきに愛を語る一途さが痛い程にたたみかけてくるので、ヘビーな悲哀を歌でより濃く演じる醍醐味がジンジン直球でくる。圧巻。
ドレミの歌♪の親しみ易さでほっとなりました(^ー^* )v
アメイジング・グレイス♪アカペラで始まり鳥肌が立って、me〜〜〜で膨らむクレッシェンドの声量のスゴさに驚き震えて、館内に残る無音まで耳を奪われていた。神々しいまでに響く美しさ!天国へ真直ぐに届いたことと。すーっと心のヒダに入り込み何もかも洗い流し、真っ白のカンバスを用意してくれる。そこに演奏の温かなやんわりとしたメロディ。ギターのソロ、トリオの演奏は筆を持たせ新たなる意欲の魂を歌と一緒に後押ししてくれる包容力にもう圧巻とか表しようがない。ソウルフルな響き。
…他のアメイジング・グレイスが聴けなくなっちゃう予感。
ぼーっと放心状態でいましたら、アンコールになっていて、花♪ 言葉のひとつ一つを本当に大事に歌われ、意味を深淵まで掘り下げ表現できる声に感動です。ライブできいていてふと、詞のセリフに憧れる女性の純粋な気持もあるかしらねと感じました。
ラスト ウタキの丘で♪
コンサートの始まりの頃は、素敵な声が聴こえてくるね、と興味本位で遊びに来ていた芸術の精霊達がいつの間にかみーんな集まって聴き入っている。sayaさんの瑞々しく表現豊かな歌唱で集中させてしまうコンサートの締めくくりにぴったり。プログラム中とアンコールとで演奏が違うとは…参りました(*^^*)v
アコースティックVer.とデジタル同居Ver.が聴かれたスペシャルコンサートです。
アンコールでは演奏がCDバージョンになり同期の音色Per.も加わり、幻想的なイメージが浮遊していました。間奏でエレキギターの音にキュン、戦火で裂かれた二匹の蛍の舞いが見えた。
sayaさんのラスト、低音なだけに声にリアリティな強い志を想い、残音がいつまでも心で響いています。
MCで塩入さんはこの曲はストーリーが自然に沸き導かれて作曲したと仰っていました。売野さんが素晴らしい詞を、そしてsayaさんが歌う。多くの方に聴いて欲しいです。是非とも聴いていただきたい!
今回のコンサートでは幅広い音楽が聴かれたのですが、声の歌い分け、そして曲に込めるコンセプトをしっかりお持ちになっていると感じる。発せられる言葉から情景が浮かび、心情が己の心に即座に描かれて行くから。
不意をついては落ちた涙がコンサートRevueの答え。音楽の力にはすごいものがあると熱く動く感動をかみしめていました。
そして塩入さん、齋藤さん、遠山さんの演奏が素晴らしかった。
といくら書きましてもご存知ない方が多いことに気付き、Revueは控えめにしまして、
とにもかくにも Sayaさんの素晴らしい歌声とその表現力、楽曲を CDで味わってください!
ココロを震わす声が流れてきます。
08.31.記

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